だれもしらないおとぎ話。

いつもどこかで恋してる

忘れ物は一緒に探そう──秋組単独公演に寄せて

 今からちょうど一年前。2020年1月18日に初日を迎えた秋組単独の公演期間中ずっと、奇跡のような時間を過ごしていた気がする。でも全部まぎれもない現実で、今でもまなうらにはっきりと思い起されるシーンがたくさんある。だいすきな男の子が舞台の上に生きてくれていることが、なによりも幸せだった。劇場に行けばすきなひとに会える。ずっとずっと、誰かに愛されたいと願っていた男の子が、舞台の上で輝く姿をこの目で見つめることができる。こんなの、幸せなんて言葉でも言い表せないくらいだった。

 「…なんでもいい。とにかくアツくなれるものを求めていた。」秋冬公演を想起させる万里くんのポートレイトから始まって、太一くんにスポットライトが当てられた瞬間に息をのんだ。「自分はどんなにがんばってもここまでなのかもしれない。」と言葉を紡ぐとき、彼はどこか諦めたように笑うことがあった。

 太一くんってまだたったの16歳なんですよ。それなのに、16歳がするとは到底思えない顔をして笑っていて。その笑顔が、太一くんがこれまでたくさん苦しんで、傷ついて、そして諦めようとしてきたことを悟らせる。ここが自分の限界なんだって知ったときの絶望なんて計り知れなくて、そんなどうしようもないくらいの感情を抱えたときにそんな顔をして笑うんだと思ったら、太一くんのことをぎゅっと抱きしめたくて仕方なくなっちゃった。

 太一くんが初めてゼロちゃんを演じてみて、全員からけちょんけちょんにされるシーン。明らかに様子のおかしい「私の名前はゼロよ!よろしくね♪うふっ♪」で笑っちゃうんだけど、でも一生懸命に可愛い笑顔を作ろうとしている表情の中にこれでいいのかなって不安が見え隠れしていて、本当に真面目にやってるんだろうなって伝わってくるのが好きだということ。「秋組で女役をやれるのは太一しかいないと思って」といわれてものすごく嬉しそうに頷くのが、太一くんにとって”唯一”であれることの喜びを感じられるということ。だからこそ、「失敗だったかな」とか「最悪の場合、書き直してもらう必要もあるかもしれん」って言葉が耳に入った瞬間に表情が固まって、そのあと普通にふるまっているようであんまりうまく笑えていないように見えるのが苦しいということ。いくらだって思い出せる、七尾太一という男の子の全てを舞台上に存在させてくれていたシーンのひとつひとつがいとしくて、大切で。もちろんそのどれも日々同じものなんてひとつもなくて、毎日少しずつ違う太一くんの感情や表情から目を離すことなんてできるはずもなかった。

 例えば臣くんがガレージに仕舞ってあるバイクのところに行くシーン。扉を開いて、少し荒い息遣いでバイクを見つめ、過去と向き合おうとする臣くんを太一くんが目撃する。上手側にそっと隠れて臣くんの姿を見守る太一くんは、拳をぎゅうっと握り締めて、音にならない声で「がんばれ」と呟いた日があって、うわ、好きだ!って感情で溢れたんだよね。すごく好きだったひとのこと、その一瞬でもっと好きになっちゃった。そういう瞬間が、本当にたくさんありました。

 

 2幕、左京さんがいなくなるかもしれないとなったとき、真っ先にいやだと声をあげるのが太一くんです。多分秋組のみんなってこういうこと素直に言えなくて、そういうところが不器用でどうしようもなくて愛おしいところでもあるんだけど、太一くんの素直なわがままがそんな不器用な男たちの背を押す構図に、いつも心臓がぎゅっとなる。「俺は嫌だ!」と荒げる声には、誰一人欠けてはいけない、欠けてほしくなんてないと思う太一くんの願いが強く強くこもっていました。だってね、太一くんが「MANKAIカンパニーの、秋組の七尾太一」になれたのは、旗揚げ公演前夜のあのときにみんながいてくれたからなんだよ。あの日、断罪しないでくれたこと、けれども簡単に許すわけじゃなく、お前の力で納得させて見せろと言ってくれたこと、それはきっと秋組のみんなじゃなかったら導き出せなかった受け入れ方で、そうやって受け入れてくれたからこそ太一くんもこうして素直な言葉を口にだせるんだな~と思ったら、秋組への感謝でいっぱいで……。

 

 この話、私にとっての秋単独のサビすぎて一生言ってるね。私はずっと七尾太一くんのオタクだったけど、秋冬公演、秋組単独公演を経てやっと、秋組のオタクになれたような気がします。

 エーステが始まってからずっと、A3!という作品を劇場に観にいけることに大きな意味があるという話をしている気がするんですが、秋組単独公演でよりしみじみとそれを実感しました。劇場の生感、毎日違う温度や言葉の紡がれ方、目線の動き。いろんな劇場で、いろんな席で、角度によって見えるもの全てが違っていて、その世界を作り出す全てのものを目で耳で肌で心すべてで感じていたらもうびっくりするくらいたくさんのことを考えさせられた。

 公演期間二日目にしてこの勢いだけど、千秋楽を迎えるその日までずっとこう思ってたし、太一くんのことだけじゃなくて、秋組のことも、MANKAIカンパニーのことも、毎日どんどん好きになる日々だったんですよね。

 

 秋単独初日からちょうど1年。いろんな人のあの日々を振り返る言葉や文章を読んでみても、私が見たものと同じものはひとつもなくて、あの期間、劇場の椅子に座って秋組単独公演を目にした全てのひとにとってきっとその景色はそのひとにしか見ることのできなかった景色なんだなあと思ったら自分の記憶が思っていたよりもっともっと更に大切で大事な宝物なんだなって再認識できました。

 だからこのブログは、私にとっての、私だけのかけがえのない宝物の話。宝箱にずっと仕舞っておいてひとりじめしておくにはもったいなくて、みんなに聞いてほしくなっちゃうような、そんな大切な記憶を持っていることが幸せだし、誇らしいし、そんな記憶をくれる劇場という場所がやっぱり大好きだなあ。

 楽しかった記憶が色濃くて、大好きだなあと思う気持ちが溢れるからこそ気軽に足を運ぶことが難しくなってしまった今の世の中がどうしても苦しいけれど、いつになってもいいからキンモクセイの花が咲く頃に”また”秋組のみんなに会いたいな。

 タイトルはめちゃめちゃ好きだった豊橋公演の太一くんの後アナから。忘れ物、ひろいにいかなきゃね!

 

これはあなたへ送る一通目─「MANKAI STAGE 『A3!』 ~AUTUMN&WINTER 2019~」に寄せて

(※2019年に書いて下書きにほったらかしていたものを発掘しました)

 

 便箋の一番上に宛名として「七尾 太一様」って書いた。なんだかすごくきらきらしてみえた。一行目に「太一くんこんにちは、初めまして!」って書いた。ちょっとだけ手がふるえた。私が普段出す手紙と全く同じ形で、彼に書いた手紙を出せる日がくるなんて思ってなかった。もちろん、太一くんにあてられるプレゼントボックスがあるわけじゃないから、書いただけだ。でもこれは間違いなく私が私の目で、私の目の前で上演された秋組旗揚げ公演の七尾太一くんを観て抱いた感想をしたためた、大事なだいじな手紙だった。

 来たる2019年1月31日、MANKAI STAGE 「A3!」AUTUMN & WINTER ~2019~の幕が開けました。開けちゃった。

 この日を迎えるに当たって日常生活に支障をきたすくらいには体調が悪くて、毎日胃が痛かった。もうすぐ始まっちゃう、どうしようどうしようってずっと困ってた。だって春夏やります!って発表されたあの忘れもしない2018年2月8日からほとんど一年だよ。もうすぐ会えるんだ、もうすぐだ。って、一年も待ち続けた人に、ついに会える日を前にして、冷静でいられるわけなんかない。初日が目前に迫った頃のツイッターを見返してたら、本当にエーステの話しかしてないし、毎日しにかけながらカウントダウンしてた。

 春夏の時もどきどきしてたけど、わくわくしてたけど、それと比べ物にならないくらいのあの感覚はなんだったんだろう。って考えて、むしろ春夏があったからこそなんだって気付いた。私はもう春夏を経験して、そしてエーステが最高のものであることをこの身で感じてしまっているから。劇場へ足を運んで、その幕が開いたとき確かにそこに恋焦がれた彼らがいるんだということを知ってしまっているから。


『出会えたことが最高のプレゼント 一生忘れないよ』

 

 秋組と冬組がステージの真ん中に集まってこの歌詞を歌ったあの瞬間を、私もきっと、一生忘れない。
 太一くんは、顔をぐしゃぐしゃにしながら、割れんばかりの拍手が響く会場の音を、その客席の景色を、五感全てで感じているように見えた。そんな心の底から嬉しそうな、感極まっている様子の太一くんの深々としたお辞儀を、今度は私がこの目に焼き付ける。こんなにも大好きで、ずっと応援していたいと思える役者に劇場で拍手を送れることが、とてつもなくしあわせだった。

 

 

これは春夏公演が終わった後の私だけど、本当にそのとおりだった。秋組旗揚げ公演「なんて素敵にピカレスク」の幕があけて、そこにいる姿を見た瞬間、びっくりするほど目を惹かれて、ベンジャミンが一言目を発した瞬間、ああなんて繊細な声を出す人なんだと思った。そんな表情をするんだとびっくりした。切ない声で、どこか悟ったような顔して笑う、それは少年と呼べる年齢の男の子がするような表情じゃ決してなかった。あの一瞬で、ベンジャミンという男の子が背負ってきたものを滲ませることができるの、ファンにならない方が無理だよ。

 それでお見送りではあの元気いっぱいな七尾太一くんが「観に来てくれてありがとっス!」って、にこにこ笑顔で言うんでしょ。そんなギャップ見せられたら頭がくらくらしてイチコロじゃんね。(これは妄想)

 

 秋冬公演のパンフレットで、演出の松崎さんが「次の春組・夏組の単独公演がもう決まっていることと、今回の公演の評価というのは全く別だと思っています。」「やっぱりMANKAIカンパニーと同じで、まずは目の前の公演がこけたら先はないんだぞ、劇団つぶされるんだって」「これからもずっとMANKAIカンパニーを続けるためにも僕らは今作を本当にいい公演しなくてはいけない」っておっしゃっています。今この瞬間があるからこそその先へ彼らは進んでゆけるんだという考え方。だからこそ今に生きているという実感がひしひしとあって。初日からもう何回も観た光景なのに、何度見たってMANKAIカンパニーが勝利する瞬間はじんわりとしたうれしさがこみ上げてくる。それはきっと、その日その瞬間すべてが未来に繋がる大切な1ページとして刻まれてゆくからなんですよね。

 秋冬初日の幕があけてから今日までなんだかずっと足元がふわふわした心地なんですよね。なんだろう。全て現実のことなのに、変に現実味がないというか。あまりにも夢みたいで。春単独が終わって、夏単独が始まって、待ちに待ってた秋単独と冬単独も発表されて、「秋組公演、秋にやってよお!!!!!」って駄々もこねたけど、よく考えたら秋冬初日からほとんど1年を経てまた秋組に会えるの、きちんと季節が廻って来たんだなって思えて素敵だよね。今後、私の暦では1月~3月が秋です。

 秋組単独公演、楽しみだな。きっと毎日たのしくてうれしくて、手帳が黄色いシールでいっぱいになっちゃうから、今から買い占めておかなきゃいけない。

 

 太一くんへ。あなたのファンになれて、あなたに出会えて幸せです。これからもどうぞよろしくね。

けましておめでとうございます!

 

 2019年の年越しは生まれて初めて(たぶん)年越しイベントに参加したんですけど、みんなでカウントダウンするのってあんなに楽しいんですか!?早く教えてよ!当たり前なことを言いますが毎年実家でジャニーズカウントダウンみながら控えめな声でするカウントダウンとは全然趣が違いましたね。あと純粋にステフェスって何するの!?って怯えまわってたんですけどまじ普通にフェス。ステフェスのためにキンプリを履修しようとしてなぜかプリリズにドはまりするなどしたので肝心の予習は全然できずにお目当て以外ほぼミリしら状態だったんですけど、1センチくらいは知ってたので普通にめちゃくちゃ楽しかった!

 1部も2部も別に席は全然良くなかったんですけど、なんの力が働いたのかこの会場の中で一番楽しんでる自信ある!ってくらいに楽しくて、あまりの大優勝っぷりに帰り道ゲラゲラ笑ってた。いや連番の友達ふたりしてお目当てが目の前を数回通ったのにガンスルーされるという世紀の干されっぷりだったんですけど。あまりの干されっぷりに客席動線の話になったときに「太一くんは何度も来てくれたけど、トド松くんは一回もこっちのほう来てくれなかったもんね」などと抜かす始末。トド松くんはカウントダウンメドレーのときにはそもそもおらんよ。

 もともとライブという空間がすきなのと、演者さんたちがわちゃわちゃ楽しそうに自然体でいてくれる姿がすきなのと、あとC&Rのことを愛しているのが重なって、年越し後のメドレーの時間が最高潮の盛り上がりを見せていて、2020年最初からこんなにぶっ飛ばして楽しかったらもうこの1年の楽しさが約束されてること間違いないな~!っておもった!最高!

 私が楽しい楽しいって言いすぎていろんな人から何があったのか聞かれたんですけど、まじで何もない。特別なことは何もなかったけど概念としての大優勝な2020年のはじまりでした!

 

 というわけで2020年。今年の目標の中にインプットした分だけアウトプットをきちんとするぞということを組み込んでいるので、きちんとブログを書きます。本当は正月休みの間に書けばよかったんですけど様々な作業に…追われ……ほぼ家から出ずにひたすら絵を描いていたので無駄な肉が増えました。ステフェスで死ぬほどはしゃぎまわって消費したからノーカンかなあ(そんなわけない)

 これと同時進行で2019年の振り返り記事を書いているんですが、いかんせん2019年1月からとかいう頭の悪いことをしているので全然終わる気配がなく。先に2020年の目標を立てちゃおう!ということで。

 

 

まあだいたいTwitterで軽く言ったこれなんですけど。もう少し具体的に

 

①痩せる

 シンプルに太りすぎているうえに1ミリも筋肉が無いのでしっかりと体を鍛えたい…。大学生のころ、一瞬今と同じくらいの体重があったんですけど、痩せよう!と思っていろいろやってみたら結構簡単に10キロくらい落ちたんですよね。でも今あのときとおなじことやってみても驚くほどに体重が微動だにしないので、年齢を重ねるということへの恐怖感じた。あと単純にあのころより筋肉量が落ちてると思うので、痩せることと痩せやすい体づくりをすることが目標!同じく痩せたい友達と一緒にお互いのダイエット経過を共有できるアプリいれたのでこれでサボらずに頑張りたい。

 

②勉強する

 もともと勉強は好きなはずなんですが最近とんと学ぶことへの意欲が薄くなっていて……というか、学びへの意欲はあってもどこから手を付けていいか分からないのが本音かな。自己分析なんですけどたぶん私って0からひとつずつ積み上げて学んでいくのが得意で、だからこそ小中高の勉強とか苦じゃなかったんですよね。反面0地点すらわからない状態で理解しろと言われても全部放り投げたくなるくらいに頭の中の整理がつかないので……。

 作品を楽しむにもあらゆる方面での知識があったほうが考え方の幅も広がるし、それを抜きにしても私が生きる上でのタメになること、役立つこと、成長に繋がることは積極的に取り入れていきたい所存!漠然とだし今更かもだけどお金のことと保険のことはきちんとわかっておきたいなあと思ってもいるのでまずはそのあたりから。並行して最近は全然できてなかった読書もしていきたい。

 

③身の丈に合ったオタ活

 これ~~~~~~!!!いやほんと、これ…………。私のほんと悪いところなんですけど、周りに流されてその場のテンションでお金使っちゃうことが多々ありまくるので、それはいつも反省している。当初決めた予算をオーバーしても「まあいっか♪」って使っちゃうの本当に本当に良くないので、自分を律することをきちんと覚えたい。お金を使った結果で楽しいという感情は返ってくるんですけど、その先の未来にいる私が大変になるので本当に勘弁してくれ。

 昨年1年間は”こんなはずじゃなかった2019年”なので、予想していなかった形での出費がめちゃくちゃ増えてしまい……。まあ詳しいことは2019年まとめ記事をあげられれば分かってもらえるとは思うんですが、今後もこのペースで活動を追いかけるとなるとお金がいくらあっても足りないのが正直なところなので、ここは使わないぞって決めたらちゃんと自制する!逆に使うぞって決めたらとことん使うけど!

 周りと比較して自分は全然だなあとか、そういうので落ち込んじゃうタイプの人間でもあって、自分の楽しいことのためにそんな風に思っちゃう感情がいちばんよろしくないと思うので、私は私と割り切っていければ、イイナァ……。

 

④貯金

 上にも通ずるところはあるんですけど、貯金0円生活一生続けるの不安でしかないので……。あとは来年の1月にたぶん引っ越ししないといけなくなっちゃうからその資金を貯めなきゃ!なんない!

 とりあえず貯金用のネットバンキングを作ったので、貯金しつつ追々資産運用のこととかも勉強していきたいなと思います!これは②に通ずる!

 

⑤やりたいことやる

 なんか今までいろんなこと考えてあれはできないな、これも難しいなとか自分に制限をかけてたんですけど、それってもったいなくな~~い!?ということに気付いたので、やりたいなと思ったことは一回やってみよ!失敗したらそれはそれで学びになるよ!というマインドを持って2020年生きていきたい!

 「しいたけ占い」によると水瓶座にとっての2020年は「初めて見るような、初めて聞くような、そして、初めてしゃべるような。途方もない、さまざまな”初めて”に満ちた世界」に足を踏み入れるらしいので。いろんなこと我慢したり、石橋を叩きすぎて割っちゃって渡れなくなったり、そういうの全部ナシにして好き勝手やっちゃいたいなと思います!もちろん、悪い意味での”好き勝手”ではなく!

 

 限られた人生、やり直しができるわけでもなければ来世に記憶を引き継いでつよくてニューゲームできるわけでもないので、今しかないこの瞬間を大事にしていきた~い!今日の私が一番若い!オタク的な活動以外のところでも行動力が発揮できるように、もちろんオタクも自制するとは言いつつフットワークは羽のように軽くやっていきたいな~と思うので、2020年もよろしくお願いいたします!

 

最後の幕が上がる前に。―エーステ秋冬公演、千秋楽前夜

1月31日に幕を開けたMANKAI STAGE『A3!』~AUTUMN & WINTER 2019~も、もうすぐ終わりを迎えようとしている。東京凱旋公演の千秋楽まで、後1日。

 

あっという間だ。春夏って謎の空白期間が存在したせいでトータルすると期間としてはすごく長かったから、凱旋公演が始まったときもまだ観られるんだ!って思ってたけど、その時の感覚で生きてたら凱旋公演が来るのがあっという間すぎてびっくりしちゃった。この間始まったばっかりなのに。

それでも大阪から凱旋まで少しだけ日にちが空いたから、ずっと読み返そうと思ってた原作ストーリーを読んでみました。

あの四角い画面の中には、その場にいる全員が映し出されるわけじゃない。例えばリビングに劇団員全員が集まってたって、その事実だけが存在して、プレイヤーの目に見えるのは今言葉を発している数人だけ。その時に、今この画面に映っていない人が果たして何をしているんだろうってところまで、あんまり考えないじゃないですか。…勿論考える人もいるかもしれないけど、少なくとも私は、目の前のストーリーを追うのに一生懸命で、目の前で話している人から発される言葉を受け止めるのが第一だった。四角い画面上だと、視点の選択肢があんまり無いんですよね。

でもそれが舞台になると、何してるんだろう?って考える必要もなく、そこで誰かが何かをしてるんです。何かしてるって言い方もおかしいかもしれないけど、舞台裏に引っ込まない限り、話題の中心にはいない人でも「今、何をしているのか」がわかる。当たり前のことだけど、これってものすごいことだった。

 

原作ゲームをやってる方は是非バッドボーイポートレイトの一番最初、第2話『秋組のオーディション』だけでも読んでみて欲しいんですが、秋組オーディションがついに始まるぞ!ってシーン。まず最初に太一くんと臣くんがオーディションに来てくれるじゃないですか。

この後、臣くんが夏組のときにお手伝いをしていた顔見知りだったこともあって、みんなが臣くんに話しかけて、臣くんの話をして盛り上がるんです。それはプレイヤーであるカントクも同様だから、その視点でしかこちら側には情報が与えられないんですけど、これが舞台になると視点の選択肢が増えるんですよね。
初めて秋冬公演を観た時、綴くんと椋くんが嬉しそうに臣くんへ顔を向けている間、確かにその奥には誰にも見てもらえなくって手持ち無沙汰になっている、ゲームの画面上には一切出てこなかった七尾太一くんの姿があって。凱旋公演あたりでこそ、綴くんが太一くんのことを見てぺこぺこ頭を下げるようにはなったんですけど、それはまるでずうっと誰からも見てもらえず、影の薄い存在として生きてきた太一くんのこれまでを表しているようでした。
ゲームの画面で見ていたときにはあんなに違和感もなくって、なんでもなかったその一瞬にひとりの人間の人生が映し出されていることに気付いて、まるで頭を殴られたような心地で。

現実世界に生きる私たちにも、人の数だけそれぞれの人生があるように、キャラクターにだって勿論1人ひとりの人生があります。A3!っていう作品は、もともとそれをとても丁寧に描いてくれていると思っているんですが、舞台という形になることによってその丁寧に描かれたそれぞれの人生が交錯する物語の主軸となる人物を、自分で選べるようになるんだなってことに気付きました。
私はずうっと七尾太一くんを見て、彼の行動全てを追いかけていたから、彼の楽しそうな顔も、悩む顔も、罪悪感に押しつぶされそうな顔も、そして何より、大好きな仲間と立った舞台の上からあふれんばかりの拍手で埋め尽くされる劇場を見つめる顔も、何一つ見逃したくないと思うものばかりだと知っています。だって全てが七尾太一くんの人生を構成する大切な感情だから。そうやって太一くんの姿を見つめ続けた時、私にとってあの物語の主役は間違いなく七尾太一くんでした。

そうしてきっと、私が太一くんを見つめたように、万里くんや十座くんを、左京さんや臣くんを、冬組の皆さんや、春夏組、裏方組や、GOD座のお二人を主役としてあの物語を追いかけた人もたしかにいるんだろうと思います。


『夢を見る全てに脇役なんていないはずさ』

 

原作のテーマ曲のそんな一節を思い出すような、間違いなく、誰もが主役に成りうる作品でした。

 

ここで太一くんを演じてくださっている役者さんのお話をさせていただきたいのですが、前回のブログで私が話題にあげていたオトメディアの2月号、そこで彼は自分が演じるキャラクターへ一言言葉を手向ける枠で「太一は僕が主役にする」と、そうコメントされていました。

これ、最初は太一くんが秋組のお芝居(エーステでいう劇中劇)で主役を務めることになるとき、やっぱりその"主役を務める太一くん"の姿をこの世界に存在させられるのは赤澤くんだけで、そこまで七尾太一くんと一緒に歩んでくれるのだと、そういう意味だと思ったんです。もちろんそれだけでも十分すぎるくらいの言葉だと思うんですけど。

自分が誰を主役とするかの視点を決められるんだって思ったとき、役者さんの演技や、役者さん演じるキャラクターに惹きつけられる人がいればいるほど、そのキャラクターを主役として物語を追いかける人が増えていくんだと気付けば、点と点が線で繋がるような気持ちでした。私の勝手な解釈だからご本人の意図しているところとはもちろん違うかもしれないけれど、彼が七尾太一くんの繊細な感情を丁寧に表現してくれるたび、七尾太一くんに目を奪われる人がきっと増えて、そうしてその人の中で、七尾太一くんが主役になるんです。ずっとずっと、人気者になりたい、愛されたい、誰かにこっちを向いて欲しいと願い続けていた太一くんが。

 

太一くんを主役としてあの物語をみて、私、もっともっと太一くんを大好きになっちゃった。もちろんお客さんとして秋組旗揚げ公演「なんて素敵にピカレスク」を観劇する私は太一くんのそんなバックグラウンドなんて知らないんだけど。

俯瞰した目線でも太一くんのことをこんなにも愛おしく思ってしまって、MANKAI カンパニーのお客さんとしてもあんなに儚い表情と明るい笑顔の両面を見せる演技のできる太一くんに目を奪われる。こんなにいっぱい好きになれるなんて贅沢だよね。羨ましいでしょ。

エーステ、本当に多幸感ばかりを与えてくれる。明日で秋冬が終わっちゃうなんて本当に信じられないけど、泣いても笑っても後一回。きっとまた私の大好きはもっと更新されるんだ。

 

太一くんへ、あなたの人生にこの客席から関われたことが、あなたが舞台上でこの上ない幸せを感じている瞬間に、その耳に届いた拍手の音のひとつとなれたことが、どうしようもなく幸せです。ひとつだけわがままを言ってもいいのなら、明日は「またね」って言わせてほしいな。

 

明日もみんなが、それぞれの形で、満開に咲き誇れますように。 

1月28日のわたしより

別に何を書くかも決めてないんですけど、もうすぐエーステの秋冬公演が始まってしまうと思ったらそわそわしちゃってどうしようもなくて。ただの感情の放出です。ヤマもオチも意味も無い。
っていうのを1月28日のわたしが書いていたので下書き供養しますね。勿体無い精神。
 
まあ徐々に理性を失っていっているのは間違いなくって、ただ今週に入ってからすんっと冷静な自分が出てきてるのも事実。なんていうか、こう、私の隣に私がぷかぷか浮かんで眺めてる感じ。幽体離脱か?
 
私の2.5次元舞台の最初は言うまでも無くテニミュだったんですけど、あの時って2.5次元にちょっと偏見があったから「キャラクターを観にいく」というのでも「舞台を観にいく」というのでもない気持ちだったと思う。なんていうかこう、何か新しいコンテンツをちょっとだけ覗き見してみるぞ。みたいな。つまみ食いくらいの気持ち。
その後見事に陥落してからは多分キャラクターを観にいってたのもあるけれど、役者を観にいってた気持ちの比率も大きくて、本当に純粋に「キャラクター」を観にいこうとしてるのって実は初めてなのかもしれない。春夏の時は最初のメインは”エーステを観にいくこと”と”推しの出演舞台を観にいくこと”って感じだったし。そして春夏感想ブログで何度でも言ったけどそこにいる彼らはただのキャラクターじゃないっていうのがもう気が狂うなによりの原因初日観劇したら過激派私が爆誕しちゃいそうで普通にこわいよね。いやなファンにはなりたくないけど根っこがリア恋同担拒否気質だから仕方ないんだわ。いえまあ害のあるファンにはしんでもなりたくないので抑えるけど。左京さんってそのあたり厳しそうじゃない?害のありそうなファンのことすぐ出禁にしそう。いいぞ~!(野次)
 
ああ~~だめだな、どきどきしてきた。書いてたら冷静な自分なんかどっかにいっちゃった。どうしよう!本当に本当に大好きな役者が板の上に立ってる姿を見られることがどうしようもなくこのうえなくうれしいよ~~!毎日しあわせを噛み締めている。実際問題「MANKAIカンパニーの七尾太一」はこれが初お披露目のはずだからどこでそんなに好きになった?って感じではあると思うんですけど、大丈夫。『なんて素敵にピカレスクの初日の客席に座って太一くんが板の上に立っている姿を見て感動する私の立場は3パターンくらい用意してある。なんならそのうちの1つの立場にたってもう手紙も書いた(???
 
あと最近一生この話をしてるんですけどオトメディアの赤澤くんがほんっとうに天才すぎてびっくりしちゃった。間違いなく最高なのはもともとわかってたけどなんかもうそれを軽く飛び越えるくらい最高を確信した。最高の更に上って何?なんでもいいけどとにかくみんなオトメディア2月号のエーステ特集読んで!
七尾太一くんに向き合うときの私ってずっと彼のファンだったから(あと彼女)(それからカントク先生)、赤澤くんの視点に目から鱗って言うか、あ~~そんなこと言えちゃうの!?になった。うらやましくってどうにかなりそう。太一くんが焦がれてもがいてずっと手に入れたかったもの、原作ゲームではその手に掴み取ることができたけれど、エーステの太一くんをいつか主役として輝かせるのは赤澤くんなんだなと思ったらもうそんなのうらやましくないわけないよね。私のいとしくてしょうがない人が一番欲しかった物を掴み取るために手を伸ばせる人ってこの世界に赤澤くんだけなんだよ。すっごい…。私がもし太一くんの彼女だったとしても(??)選択肢が与えられるのであればそっちを選んじゃうかもしれないくらいには七尾太一くんと背中合わせで、横並びで、時には互いに引っ張り合って一心同体で一緒に歩んで行ける赤澤くんに羨望のまなざしを向けてしまうな。あ~~ヤバ…はやく秋冬が観たい…。
 
3日後の私へ、生きてね。
 
 
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37日後の私より、生死の判別がつかない。
 
エーステを観てないときの自分があまりにもずっとふわふわしててよくわかんない。ちなみに過激派リア恋拗らせ芸人は元気に産声を上げてるから心配しておいて良かったね。あと一番最後に書いてる話について私から私へいいたいことがあるのでそのうち書きます。
 
秋冬、もうすぐ終わっちゃうよ。劇場へ行けば大好きな人に会えるいまって、きっとすごく贅沢な期間だ。

あなたと生きられる世界はきっとどこまでもまぶしい─「MANKAI STAGE A3! ~SPRING&SUMMER 2018~」に寄せて

https://twitter.com/yyyk838/status/1059370911629946880

 

これは私のつぶやき。ふと思った。いやずっと考えていたことだったけれど、春夏公演の千秋楽を迎えて、秋冬公演の全情報が解禁されて、私の大好きな七尾太一くんのビジュアルが発表されたときに、それがより実感を伴って身に染みた。ずっとずっと、舞台の上に立つ七尾太一くんに惜しみない拍手を送りたかった。それが叶う。しかも何がすごいって、ただ「七尾太一」をこの目で見られるだけじゃない。「七尾太一の演じたベンジャミン」を観て、「七尾太一の出演舞台」の幕が下りるその瞬間に拍手を送れる。すごくない?すごい!!他を下げる意図でこれを言うんじゃないっていうのを前置いたうえで、これまでの数多ある2.5次元舞台の中でこんなにも2次元と3次元の境界線を曖昧にする作品、無かった気がする。

 幕が開く

そもそも、A3!というゲームがリリースされたときからずっと、これはきっと舞台化するんだろうなって考えてた。だってこれだけたくさんの作品が舞台化している中で、舞台とか役者とか劇場とかそういうものをテーマにした作品を舞台化しない手はなくない?いくらでもやりようがあるどころか、やりようしかない!だからエーステが発表されたときも「ついに来たか!」って感じだったし、どんな風にA3!の世界を、MANKAIカンパニーを表現するんだろうってずっとわくわくしてた。大好きな作品だし、敬愛してやまない演出家さんと脚本家さんだし、楽曲を手がけるのも最高の人だし、なんたって推しも出演するし、私にとってこんなに最高の舞台ある!?って、最高潮にあがったテンションで迎えた初日。

 

気が狂っちゃうかと思った。

 

確かに、間違いなくそこに生きてた。全ての幕が下ろされた瞬間、自分が今どこにいるのかすらわからなくなっちゃうくらい、彼らの世界に没入してしまった。最初こそ普通に観てたんですよ。メインのストーリーは大事なところを救い上げて丁寧に描いてくれるし、画面の上だけでは分からなかった微妙な表情の変化とか、動きとか、そういうところが可視化されることによってここってこういうシーンだったんだって新しい発見がうまれたりとか。そういう、2.5次元にすることで浮き出てくるものを受け取って、大好きなキャラクターたちが目の前で動いて喋る、それだけで十分すぎるくらい満足だった。のに!

演劇を始めた動機も、演劇に対する熱も、何もかもがばらばらで、上手くかみ合ってなかった春組が少しずつ少しずつ距離を縮めて、迎える本番当日。ついに初日ですね!って支配人と咲也くんが話して、「最初は二人だけだったのに、ついにここまで来られました。」って紡ぐ。紡ぎながら、天井に視線を向ける。「あ、」って思った。あ、いま咲也くんは劇場にいるんだ。お客さんが入る前の劇場で、幕が開く前の舞台の上で、支配人と話している。それが、今この、私がいる劇場なんだ。「よろしくお願いします、カントク!」ここまで、ここまでは私たちが「カントク」だった。元気良く頭を下げた咲也くんが、準備のために袖にハケる背中を見送った、その先。MANKAI劇場を思わせる真っ赤な緞帳だけが目に入って、耳に飛び込んでくるのが劇場アナウンス。

 

『本日はMANKAIカンパニー春組公演「ロミオとジュリアス」にご来場いただきまして、誠にありがとう御座います。』

 

ここからだった。ここから私たちはMANKAIカンパニーのお客さんになる。私が座っていたあの椅子が、MANKAI劇場の椅子になって、私が見ているその舞台が、MANKAIカンパニーの公演になる。アナウンスが終わって幕が開いて、シトロン演じるロレンス神父の語りが始まった瞬間にもうどうしようもなくうれしかった。

私がずっと観たかった景色ってこれだった。私、MANKAI劇場に足を運ぶお客さんになりたかったんですよ。「カントク」に個性的なキャラクターがあてられているから、ちょっとだけ感情移入しにくかったのもある。自分が若手俳優のおたくをしているから、役者を応援するっていうスタイルに共感できるのもある。いろんな理由が交わり合って、原作を楽しむ時は「MANKAIカンパニーのファン」としての楽しみ方をすることが多かった。そんな楽しみ方が、まさかこんな形で浄化されるなんて、思う?

ものすごく図々しい言い方をします。個人のブログだからゆるしてね。私、あの瞬間あの場所で、お客さんとしてキャスティングされたんです。そんなことってある?あるんですよ。エーステなら、エーステだから!ロミジュリの演目が終わって、最後の音が止まった瞬間、客席に拍手の渦が起こる。さっきまでロミオだった彼が、その音を聞いて佐久間咲也になる。「あ、」って顔して客席を見回すみんなと、「これ、拍手…!」っていう噛み締めるような言葉。ここ、私の一世一代の演技ね。いやぜんぜん演技じゃなくて心からの拍手なんだけど。この舞台にはこの拍手が間違いなく必要なんですよ。「本日は誠に、ありがとうございました!」って春組みんなでお辞儀をして、幕が閉じていく。ぎゅうってズボンを握り締めて、深々と頭を下げる咲也くんとか、お辞儀の後にまたぱっと顔を上げて客席にぶんぶん手を振っちゃうシトロンとか、私知ってるこういうの。さっきまで舞台上にキャラクターとして生きていた人たちが、カーテンコールでめいっぱいの拍手を浴びて役者になる瞬間。こういうの、いろんな舞台で見てきた。生きてるんだよ。咲也くんたちが劇中劇のキャラクターを演じた「キャラクター」だってこと知ってるのに、間違いなく目の前で「役者」として生きた。生きてた!あの瞬間だけは、彼らが生きる世界に私も一緒に生きてた。エーステ、2次元を3次元に浮かび上がらせるだけじゃなくって、私たちを向こう側に引っ張ってくれる。贅沢だ。こんな贅沢しちゃったらもう二度とエーステから離れられなくなっちゃう。離れる気なんて微塵も無いけど!

時が動く

ここまでが初日の衝撃と多幸感の話。で、ここからはエーステにもうめちゃくちゃおびえた話。勿論いい意味で!
千秋楽って割とどの舞台でも特別になるもので、その日だけのちょっとしたちいさな追加演出があるタイプの舞台もある。まあそれが良いか悪いかみたいな話はここでは置いておいて、エーステも例に漏れずそれがあったんですよ。これは予想の範疇。
絶対演出変わるだろうなって分かってたのに、分かってたのに東京千秋楽のその日の春組公演が始まる前、いつもは「本番当日」(「春組初日」だったかも?記憶がちょっと曖昧)って出て来るスクリーンに「春組千秋楽」って出て来た。うわって思った。完全にこれまでとは別の日だった。支配人が慌てて降りて来て「千秋楽のチケットが完売しました~~~!」って、お客さんが満杯に埋まった劇場で言う。千秋楽の日に、チケットが完売している劇場で!ありとあらゆることが今ここのこの場にしかない事象過ぎて、何度も言っているけど自分の今いる場所が分からなくなるの。

いつもは幕が降りた所で2人きりで話してた咲也くんと支配人の会話が、幕が降りる前に行われる。

 

「いよいよですね!」

「オレたち二人だけだったのに、あっという間ですね!千秋楽だなんて!」

「舞台は、あっという間に時間が過ぎていくんですよ!ラスト一回、頑張ってくださいね!」

「はい!『The show must go on.』 何があっても最後まで、皆で走り切ります!」

 

もう全然違うじゃん。千秋楽なの!語彙力が全く足りてないんだけど、全てが千秋楽なんだよ!!!その後、いつものように幕が降りて、いつもと違って至さんが出て来た瞬間、あ~~~~~~~って天を仰ぎかけた。舞台から目を離すわけにはいかないから概念だけに留めたけど。至さんが少し足を気にするそぶりを見せてしゃがみ込む。袖からシトロンがひょっこり顔を出して神妙な面持ちで「二日くらい前からおかしかった。公演中に怪我、したのネ。」っていう。これ、さっきまでの春組ストーリーの話で私が書いていなかったわけじゃなくて、本当の本当にこの日に初めて見た光景。

私、春組ストーリー読んでて最初のうちは至さんのこと全く食指に引っかかって来なかったんですけど、春組スト最後の最後、幕が降りた裏で思わず涙を流す茅ヶ崎至のスチルに心臓を鷲掴みにされた女なので、そこのシーンが無いのちょっと寂しいなあって実は思ってた。思ってたら、これだよ~~~~~!!!!!そうだよね、至さんの涙って初日を終えて公演期間をみんなと一緒に駆け抜けて、自分の不調すらも隠してまでみんなと舞台に立ちたいという気持ちに気づいてしまって、そしてたどり着いた"千秋楽"のその日だからこそこみ上げて来てしまったものだもんね……。全てが積み重なって、積み重なった時間があって初めて流す涙なんだよ。「ゲーム以上に本気になれるものなんて無かった」って言ってた至さんが、思わず涙を流してしまうくらい熱くなってることに気付いちゃった千秋楽っていう、特別な日。

も~~~それはさ、それはまさしく「千秋楽」じゃん!?しかも千秋楽”演出”じゃなくって千秋楽”公演”なんですよ。演出なんかじゃなくって、これがまさしく春組の千秋楽なんだよ。私の文章力が無さ過ぎて言いたい事の半分も伝わっている気がしないんだけど、体感としてはも~~~~~天才!?って気持ちで埋め尽くされる感じ。3次元の私から見て、何回公演に通ったって、どれだけ日替わり演出があったって、ただひとつ揺るぐことの無い筈の”舞台上で流れていた時間”が動いた瞬間。生きた。完全に生きたじゃん。だって彼らはあの瞬間「春組初日公演」から「春組千秋楽公演」までの時を確かに生きたってことが証明されたんだよ。もう完敗。いや勝負じゃないけど。負け負け!私の負け!もう好きにして!


その千秋楽の日にだけ、春組公演前の左京さんのお説教の内容も少し変わる。

 

「千秋楽だからって安易に”千秋楽スペシャル”的な日替わりネタに走って客を失望させる劇団を山ほど見て来た!新規の客もリピーター客も満足させて初めてうんたらかんたら…」

 

って、これ、メタネタ含んだギャグみたいに捉えることも出来るんだけど、違った観点で観ればこの言葉が出ることがつまり、この後に幕が開く春組公演は左京さんが忠告したとおり”千秋楽スペシャル”なんかじゃなくって、あらかじめ用意された"日替わり"じゃなくって、彼らの千秋楽公演の日に偶然起こってしまったハプニングであり、それを乗り越えるための突発的なアドリブなんだってことを証明しているんですよ。うわ、もう、本気か…??エモを作り上げる天才じゃない?こわ……。

あと春組の話だけでここまで使ってるけど夏組で印象に残った話もさせてほしい。夏組、「初日公演」の時のカテコでは一度お辞儀した後に、その状態のまま天馬くんが幸くんの手を握りにいって、驚く幸くんに対してみんなで手を繋ぐことを促すんだけど、「夏組千秋楽公演」ではもう当たり前みたいにみんなが手を繋ぐの。最後の音が止まった瞬間に、皆が立ち上がって歩み寄る。繋いだ手を高くあげて、皆一緒にお辞儀をする。そんな些細な変化。些細だけど確実な変化。そこに、確かに積み重なった時間が見えて、やっぱり泣いちゃいそうだったし、いくらでも惜しみない拍手を送り続けたかった。

 

ちゃんと私、MANKAIカンパニー春組と夏組それぞれの「初日」と「千秋楽」を見届けて、その成長を感じ取ったの。

生きる

役者が自分の演じたキャラクターとして役を演じるって言う複雑に重なったレイヤーの構造が私たちから役者の姿を隠して、キャラクターを“役者”として見せてくれるんだろうなあとそう思う。ここでいう「役者」は3次元の俳優さんで、「"役者"」はMANKAIカンパニーの劇団員のこと。これ、ネルケプランニング主催の「アイドルステージ」から通ずるものがあると思うんですけど、それについては説明すると本当に長くなっちゃうので自分たちの信じたいものをただずっと信じていてもゆるされるやさしい「大人のごっこあそび」の世界なんだってことだけ。気になった人は私に連絡ください。いつまでたっても大人のごっこあそびのことは、永遠に信じて愛してしまうんだよ。

そうしてMANKAI STAGE A3! SPRING&SUMMER~2018~の初日の幕が降りて、緞帳の向こう側から出てきたのは横田くんと陣内さんだった。だと思ってた。でも二回目のカテコに二人が登場した途端、私は彼らが今誰なのか分からなくなっちゃった。びっくりしたような笑顔で客席を見回す横田くんはあまりにも佐久間咲也だったし、少し赤くなった目で客席を満足そうに見つめる姿はまさしく皇天馬だった。「オレ、前アナ間違っちゃったんですよ!」「オレは今日も完璧だったけどな。」そんなのもうリーダーズの会話じゃんか。

基本的には役を降りた時点で役者は役者だと思っている人間だから、例えばSNSに役者さんが役者さんの姿で上げているツーショット写真は役者さん同士のツーショットであって、キャラクターのツーショットでは無いと思っているんだけど、エーステにおいてはその境界線が随分曖昧で、どうしていいか分からなかった。だって、咲也くんが言ってた通りに、役者が舞台を降りても物語が終わらないんだよ。それに、カーテンコールってやっぱりまだふたりとも咲也くんと天馬くんの姿をしていたから。

東京公演千秋楽の日、つまり初めての「千秋楽公演」の日のカーテンコールで「僕、初主演で初めての座長で、ほんとに怖くて、……でも、皆が優しくて、皆のことが大好きで、舞台って皆で作り上げるものなんだなって実感しました。」って言葉を詰まらせながら挨拶をする彼の姿は春組公演の千秋楽を終えた咲也くんの感情と重なった。なんていうか、ネルケのキャスティングの真骨頂を見た気持ち。もういつどこで聞いたのか忘れちゃったけど、テニミュのオーディションにおける選考基準の話の中で、顔や声、体格が似てるのももちろん大事だけれど、それより何よりそのキャラクターとしての"タネ"を持っているのかどうかが重要だっていっていた、そんなことを思い出した。

エーステって 舞台の上では基本的に役者の名前が出てこないというか、いわゆる「佐久間咲也役の横田龍儀でした。」をやらないんですよね。ラジオだったりオランジーナの生配信だったりのサブコンテンツではやるんですけど、私の記憶が間違ってなければ、劇場で、舞台上で彼らの口から役者本人の名前を聞いた覚えが一回も無い。前アナでも後アナでも、カテコ挨拶の時も、彼らは徹底して役名しか名乗らないんですよ。これは刀ミュもそうだった。役者が名前を名乗らないこともまた”キャラクター”を”役者”たらしめてくれるんですよ。どこまで優しいんだろう。どこまで、MANKAIカンパニーを存在させようとしてくれるんだろう。

少しだけ私の話になるんですけど、ずっと昔から漫画やアニメやゲームの世界が大好きで、本気でキャラクターに恋をしてはどうしたって世界が交わらない事実に泣いたこともありました。いやホントに。だからこそ、同じ世界に生きようとしてくれるコンテンツが好きで。例えばさっき例に挙げた「アイドルステージ」とか、「うたの☆プリンスさまっ♪」とか。「コンテンツ」って言っちゃってる時点で自分でぶち壊してる感じは否めないんだけど、これは便宜上。私は彼らがこの世界に生きているんだとずっと信じ続けるし、そして彼らもそれも信じさせてくれる。うれしいよね。だってそんなの相思相愛じゃん。

 エーステもきっとそれと同じで。同じだけど少し違うのは、彼ら劇団員の輝く場所がまさしく劇場だってこと。つらつら長く書いてきたけど、ここで最初の話に戻ります。劇場というその場所で、舞台に立つ彼らの姿を見られるっていうたったそれだけの事実で、私の心はどうしようもなくふるえちゃう。その彼らの物語が、作り上げられたお話しじゃなくって、間違いなく今、私と同じ時間軸で彼らの公演が積み重なってるって実感できることが、何よりの生の証なんだ。だいすきなひとと、同じ時間を重ねられる。そんな奇跡を、実現してくれたのがエーステだった。

 

ああはやく劇場にいきたいな。ずっと欲しかったものをその手に掴んで、ずっと憧れてた場所に立つ。そんな太一くんが見る初めての景色の一部になってその網膜に残りたいし、太一くんの鼓膜を揺らす音のひとつになりたいよ。

初恋は一度きりじゃないー『マジLOVELIVE 6th STAGE』に行ってきました

 

皆さんの初恋はいつですか?
私は、先日二度目の初恋をしてきました。


…っていうポエムから始めるっていう約束をしてしまったので前置きとして書いておくんですけど、タイトルの通り5/27,28に行われたプリライ6thで歌われた来栖翔くんのソロ曲「初恋をまた始めよう」の話をします。ライブの演出やらなにやら全力でネタバレしますので円盤発売まで知りたくない人は自衛してください!


この楽曲はアニメ4期のマジLOVEレジェンドスターからDUET IDOL SONGの一つとして発売された来栖翔くんと日向大和くんのデュエットCDに収録されたソロ曲で、「初恋をまた始めよう」ってタイトルが発表された時点で割と泣きました。タイトルがエモ過ぎる。しかもこのCDが発売された二ヶ月後に「うたの☆プリンスさまっ♪ Repeat LOVE」っていううたプリゲームのストーリーの軸としては一番最初の話になるRepeatのVita移植版が発売されてるんですよ。つまりプリンスさまたちへの初恋をまたもう一度始められるタイミングでこの歌を歌うんですよ、そんなの無理です。更に言えばそのタイミングでこの歌を任されたのが今まで元気!明るい!楽しい!男気!みたいなソロ楽曲を歌っていた来栖翔くんだったっていうことにもエモさポイントを609ポイント追加したい。陳腐な言葉ではありますが「最高」という二文字を捧げるしかなかったです。


そんな感じでいざCDを手に入れて聴いてみたら、いやもう出だしの一音目からあまりのやさしさに涙腺が仕事しない。「何cmだっけ?お前と俺の身長の差って」「誰もが出来ない視点の二人さ、今は嬉しく思う」って、あの頃はきっとコンプレックスに思っていた身長の差を自分達だけの特別にしてしまえる翔ちゃん、大人になっているのが伝わってくるし、いつからこんな大人っぽい声で歌うようになったんだろうってドキドキした。「思い出ってさ、恋を愛へと変えてゆく魔法」なんて歌われたらあの頃を思い出して愛が溢れ出して仕方なかった。好きな歌詞、フレーズを上げ始めたらキリがないけれど、それくらい本当に本当に大好きな曲で、何度も何度も聴き続けてました。

プリライ6thのセトリを予想するときに、マジレジェでの新曲ソロだし絶対やるだろうなって思ってたから、「初恋はまるで桜だ」「命を燃やしてまた春に」「更なる綺麗な花と咲く」って、ピンク色のペンラの海で歌う翔ちゃんを想像して勝手に幸せな気持ちになったし、きっとそのペンラの数と同じくらいたくさんの初恋が咲くんだろうなって思ってた。どんな風に歌うんだろう?しっとりと優しい曲だから、今までとちょっと違う雰囲気で歌い上げるかな?花道をゆっくりと歩きながら歌われたらあまりのかっこよさにどうにかなっちゃうかもって、いろいろ想像してライブ当日を迎えたんです。

 

当日はもちろん最初っから爆上げテンションでうたプリサイコ~~~~!!!!って感じで、ST☆RISHソロ曲のターン一発目からトキヤがHAYATO様連れてきたりするからもうライフゲージがずっと瀕死状態って感じなのに、次は誰が来るんだろうってヘロヘロになりながらステージを見つめてたら、もう脳に刻み込まれてるイントロが流れて来て、一瞬にしてピンクに染まる会場が見えて、でもステージの上には誰もいなくって。ペンライトとうちわを抱きしめながら辺りをきょろきょろと眺めたら、スクリーンに映し出されたのは客席から登場する翔ちゃんの姿で。
考えていた形とあまりにも違っていてびっくりして、動揺しながらもそこに映る翔ちゃんは私が想像してた通りのかっこよくて優しい表情をしていて、”成長”を感じてました。でも、でもね、ゆっくりと階段を降りた翔ちゃん、前を向いてにっこり笑ったかと思ったら「じゃーーーーん!」って効果音が付きそうなくらい堂々とピンク色のタオルを取り出して、思わず「振るんかい!!!!」って笑いながら突っ込んでしまった。だって、この曲で振るだなんて思ってなかったから!(笑)
ここからはもう完全に予想を裏切られて、タオルは回すしトロッコに乗って全力笑顔で客席に手を振りながら歌うし楽しそうにぴょんぴょん飛び跳ねるし…。相変わらずだなあって思ったけど、その相変わらずがすごいなあとも思ったんです。環境が変わったり責任が増えたりたくさんの変わらざるを得ないことがある中で、私たちに見せてくれる姿は何にも変わらない、私が初めて恋した翔ちゃんそのもので、その瞬間に初恋がまた始まった気がしました。歌詞そのものは成長が垣間見える歌詞になっているけど、それを歌う姿はあのころと変わらないからこそ翔ちゃんのことを好きでいる限り何度でも「初恋」を始められるんだろうなって確信した。

 

何よりも、ステージの上じゃなくって私たちと同じ目線から登場してくれたのがどうしようもなく好きだった。等身大の翔ちゃんと並んで歩きながら恋をしてきたんだったなあって、思い出したりして。「今までもこれからも、その手をずっと離さないからな!」「これからもずっと、お前の為に歌い続けるぜ!」って、そんな風に真っ直ぐ言ってくれる人の事を好きになれて本当に幸せ者だなって思いました。いつも通りで変わらな過ぎて、この曲にまでC&Rが入ってるの、どうしようもなく愛しかったりしました。そりゃ翔ちゃんのことはめちゃめちゃはちゃめちゃLOVEだけど!!!!好きが溢れて感情が大洪水起こしてるせいで言える状態じゃないって!!!!(笑)
「心音胸に鳴り響く限りお前を守ってゆきたい」って歌う時に、ぎゅっといとおしそうに心臓のあたりの服を握りしめたのが印象的で。心臓病を患っていた翔ちゃんにとって、心臓の音がしっかりと聞こえることは全然当たり前じゃなくって、大切で大事なその音が鳴り響く限り、隣に居てくれるって約束してもらえるのって、どんなに幸せなことなんだろうって考えだしたら、楽しいのと苦しいので笑いながら泣いてた。

 

うたプリを好きでいる私には、学生時代に翔ちゃんと出会って、二人で切磋琢磨しながら頑張って来た私と、ST☆RISHである翔ちゃんに出会って、来栖翔担としてピンクのペンライトを振って来た私がいるけど、翔ちゃんの前回のソロ曲である「すべてを歌にっ!」は後者の私にダイレクトアタックしてくる、アイドルとしてきらきらに輝いている歌で、今回は前者の私が浄化されて、翔ちゃんとまた手を繋いで笑い合いたくなる歌だったなあと思います。この歌を聴いていると向かい合っておでこを合わせて笑い合う姿がいくらでも想像できちゃうんですよ。

 

小さな体で全力投球しながら笑顔と愛を届けてくれる翔ちゃんが大好きだし、これまでもこれからもずっと応援し続けていきたいと思いました。いつまでも何度でも「初恋」を始めさせてくれる翔ちゃんと、これからも新しい過去を生み出していきたいです。なんたってキラ星のリングを薬指にはめられてプロポーズもされちゃったしね!!!!!!みんな結婚式には来てくれよな!!!!!

 

♪初恋をまた始めよう(http://j-lyric.net/artist/a054544/l03cc9e.html

♪すべてを歌にっ!(http://j-lyric.net/artist/a054544/l035d84.html

 

うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター デュエットアイドルソング 来栖 翔&日向大和(通常盤)

 

www.utapri.com

 

来栖翔くんのソロ曲ひとつでブログを書いてしまえるぐらい最高のライブだったし勿論この曲以外も何もかも最高に楽しくて熱くて、めちゃくちゃ幸せで愛にあふれた空間だったので、既に発売が決定している円盤の方もどうぞよろしくお願い致します!DVD&Blu-rayどちらも7500円+税です!!!!!